テラヘルツへの取り組み

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「例えば固体物理で、固体の中の量子状態、電子が波として保っている性質をテラヘルツ波で観測し、コントロールして状態を変えていくなど、将来展望を秘めた研究も進めています。」

実際、電子の波と波が干渉している状態でテラヘルツ波を当てると、その性質が崩れるという結果はすでに得られた。それを再び元の状態に戻すことができれば、制御が可能となる。その一歩手前まで来ている。

一方で、実用面ではまだまだ課題も多い。例えば、計測機器の価格が高価なことは普及を妨げる大きな要因だ。現在主に使用されているフェムト秒レーザーと呼ばれる機器は開発コストを下げるのが困難なこともあり、大量生産が可能な半導体チップを使った高感度で低雑音の半導体検出器開発が急務となっている。

もう一つ、検出器の感度を上げることと同時に、発振器の強度を上げることも必要になってくる。この発振器についても、国内外で研究が盛んに行われており、東工大では現在浅田雅洋教授が中心となって研究・開発を進めているらしい。

テラヘルツ帯電磁波領域(およそ0.1~100THz)を積極的に利用し様々な応用技術分野
 を開拓しようとする研究開発活動が国内外で活発化しています。各種分析・セキュリティ分野で必要不可欠な新しい計測技術としての発展、また、テラヘルツ帯電磁波を用いた無線通信では数十Gbps を超え1Tbpsといった超高速無線の実現が期待されています。国内では総務省による研究開発、海外ではIEEEでのデファクト標準化、ITU-Rでのデジュール標準化が本格的に動き出しており、テラヘルツ電磁波を用いた非通信分野のみならず、大きな発展が見込まれる無線通信分野においても学術的な側面からテラヘルツ技術活用の場を開拓し、議論していくことの重要性が、さらに増しています。テラヘルツ協会では多くの資料をまとめより良い情報サイトを構築しているらしい。

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